家づくり

Case. 13リノベーション

土地のご紹介

築50年の純和風木造住宅の再生

――古さを活かし、新しさを添える「古くて新しい住まい」

築50年を超える、風情ある純和風の木造住宅。

古い住宅と聞くと、「寒い」「暗い」「地震が心配」などのネガティブなイメージを持たれがちです。
その美しい景観や趣を大切にしながら、現代の暮らしに寄り添う快適性を加えていく。そんな「古くて新しい住まい」づくりを目指したリノベーションが約半年にわたって進められました。
昔の間取りを活かしつつ、必要な部分は増築
古い住宅の良さはそのままに。基本的な間取りは活かしながら、狭さを感じる部分には増築を行い、空間のゆとりを確保しました。

建築家・施工会社とつなぐ

安心して暮らせるための【耐震補強】
既存の柱や梁を補強
必要に応じて壁を増設し、耐震強度を向上

現代の快適性を実現する【断熱改修】
断熱性能の低さは、古民家リノベでよくある課題です。
今回の住まいも、壁は土壁で断熱性能は低いと言える。
土壁はすべて撤去。その量に改めて、昔の建築の大変さを感じさせられました。
壁には高性能断熱材(グラスウール100mm)を充填
サッシはすべてLow-E複層ガラス+アルゴンガス入りの断熱サッシに
床を剥がし、防湿コンクリート+スタイロフォームで断熱・漏気対策を徹底
「昔の家は寒い」のイメージを払拭し、現代の冷暖房効率にも対応しました。

リノベーションCase. 13

見せる構造美 ― 柱・梁を隠さない設計

長年の時を経てあめ色になった柱や梁は、その風合いこそが価値。
真壁づくりの意匠はそのままに、美しい木材を“見せる”デザインとしました。

古き良きと現代デザインの融合 ― 欄間の活用

リビングの欄間は既存のものを活かしつつ、施主様デザインによる現代風の欄間も新調。
風通しや採光を確保しながら、デザインのアクセントにも。

2階の丸太梁を魅せる勾配天井へ

天井裏には、今では珍しい立派な丸太梁が。
この出会いをきっかけに、急遽2階洋室の天井板を撤去し、緩やかな曲線の梁を見せる勾配天井へ変更。
木の温もりを感じる、開放的な空間が生まれました。
外観は和の趣を損なわず、素材を活かす

外壁は塗り壁材の風合いを活かしつつ、ベルアート吹付(トラバーチン仕上げ)を採用
サイディングで覆うような改修では得られない、景観と素材感を維持
劣化の激しかった瓦屋根は、和の雰囲気を崩さない「ガルバリウム鋼板」へ葺き替え
シャープで現代的な印象と、和の落ち着きを両立しました。

和の庭とのつながりを大切に

楓や松が風情を添える庭との一体感を守るため、既存の縁側はそのまま残しました。
内と外が緩やかにつながる、日本ならではの空間づくりです。

世界に一つだけの空間を ― 造作の魅力

洗面台は、モールテックス仕上げの造作家具を採用
水栓や鏡なども自由に選び、空間にぴったりのデザインに
室内建具はすべて木製。既存建具は取っ手金具のみを現代のものに交換し、統一感を演出
既製品では得られない、手仕事のぬくもりが空間全体に広がります。

そして、再生の完成へ

約半年にわたるリノベーション工事を経て、築50年の住宅が新たな命を吹き返しました。
ただの「リフォーム」ではなく、既存住宅の魅力を活かしきることでしか生まれない住まい。

それは、家だけでなく、街全体の価値さえも高めるような——
そんなすがすがしい気持ちになる瞬間でした。


「古いから壊す」ではなく、「古いからこそ活かす」
この住まいが、その選択の素晴らしさを教えてくれました。


設計:HIRO建築設計事務所
施工:株式会社HIRO不動産