家づくり

Case. 04リノベーション

土地のご紹介

【買い替えの動機】
通勤の利便性を考え、戸建からマンションに移り住んでおられたお客様。
しかし暮らし始めてみて、窓も少なく何か行き詰まった感覚や雰囲気を感じ、閉塞感にさいなまれておられたようだ。
そこで、明るく開放的な戸建を求め移住を決意し、弊社へ問い合わせをいただいた。

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【中古住宅のリノベーション】
お客様の要望を踏まえ、弊社からRC造の中古住宅をご紹介する運びとなった。
この建物は、築50年と古いものの、マンションと同じRC(鉄筋コンクリート)造り。
屋根は陸屋根(平坦)で、ベランダとして利用されていた。
数年前に防水工事を施しており、雨漏れなどによる腐食は見受けられない。
基本躯体は、まだまだしっかりしている建物である。

また特筆すべきは、リビングから大阪平野が見渡せる立地にあり、その眺望と圧倒的な開放感は何ものにも代えがたいものである。

リノベーションCase. 04

築50年、鉄筋コンクリート製(RC)住宅のリノベーション

購入契約を締結し、いよいよリノベーション計画が始まった。
立地条件を最大限に生かし、なるべく現状の間取りを活用しながら希望に近づける地道な作業を続け、リノベーション工事図面が完成する。
この段階では、予期せぬことが起こらないか常に不安が付きまとう。
起こりうる問題点を払拭するため、元所有者の協力を得て、工事関係者と共に何度も建物内の視察をおこなった。
※当該物件の引き渡しを受ける間、所有者が居住されています。

それでも解体しなければわからないことは多く、リノベーション工事は臨機応変な柔軟性が求められる。
今回も工事が始まってから設計変更を余儀なくされたことがいくつかあった。

2階トイレの位置を移動できない
木造とは違いRC造の住宅であるため、1階と2階の間(つまり2階の床)に穴を開けることは、想像以上に大変な作業だ。現在開いている穴を利用して、なるべく躯体に負荷がかからないようにしたい。しかし、どの部分に既存の穴が開いているのか、正確な位置は壁や床を取り除かないと判らない。結局、解体してみて判明したことは、トイレ位置の移動が難しいことであった。
そこで、施主様にご理解をいただき、計画とは異なる場所にトイレを移動することとなった。

天井表し
リノベーション計画として、1階の天井部材を撤去してRCの素地を見せる「表し天井」にする予定だった。
そこで天井の解体を行い、ようやくRCの素地が姿を現したのだが、イメージしていたRCの壁とはほど遠い、粗い表面の天井が出てきた。
もともと隠れた部分・・・中古住宅では往々にしてよくあることだ。
その粗さを「味」とみて「表し天井」の計画を進めるものひとつという思いもあったが、施主様へ相談した結果、「表し天井」案は却下となった。

このように紆余曲折を経て、ついにリノベーション工事の完成を迎えた。
これから住む人のライフスタイルに合わせ、心地いい間取りやデザインをゼロベースで提案し新しい価値を生み出すという、リノベーションの好事例となったのではないだろうか。

施工:HIRO不動産
設計:HIRO不動産
撮影:熊木 徹