家づくり

Case. 03リノベーション

土地のご紹介

近年、キセラ川西再開発事業により市北部エリアは一変した。
小さな工場が群生していた頃からは想像もできないほどの変わり様だ。

公園やショッピングモール、総合医療施設などが整備され、緑が薫る心地よい空間を求め人々が集っている。
市民による自主的なイベントも開催され、活気に満ちあふれるエリアとなった。

建築家・施工会社とつなぐ

対して周辺にはまだ、昭和のよき時代を思い出す街並みが点在していて、どこか懐かしさと共に心安らぐ気持ちになったりもする。
こんなところにオフィス店舗を構えたら、意外と素敵だろうなぁ…などと日々妄想していたところ、ある一軒の長屋に出会った。

リノベーションCase. 03

温故知新
昔の事をたずね求め(=温)て、そこから新しい知識・見解を導くこと

6帖一間の平屋で空き家期間が長かったのだろう、床や建具は劣化が進み痛んでいる。
薄暗くたった6帖しかないのだから、いっそのこと建て直したほうが手っ取り早いだろう。
真新しい建材でエッジの効いたピカピカのオフィス!イェイ!とは、わたしはならず…。

住んでいた人たちの営みによって、柱もやわらかい丸みを帯びたり、色がくすんだ梁を見ても愛おしく思える。
古さの中に歩んできた歴史を感じ、わたしに懐かしさ・落ち着き・癒やしを与えてくれているんだと思う。

特に日本における中古住宅は建て替え一辺倒。
この風潮に、リノベーションによってなにか変わらないだろうか。
この限られたスペースで何が提案できるのか、チャレンジしてみるのもおもしろいのではないか。

キセラ川西のように、住環境を変えることで人の流れが生まれ、点在している古い街並みもリノベーションによって、付加価値が高まればいいなと思う。

施工:㈱長澤建設
設計:HIRO建築設計事務所
撮影:熊木 徹