家づくり

Case. 01新築

土地のご紹介

いくつかの紹介する土地の中のひとつであったこの敷地には、古家が建っていた。この古家はしばらく空家だったらしい。雨漏れがひどく室内のあちらこちらが朽ちていた。また、古家の周りには草が生い茂り、放置された期間を汲み取るには想像に容易かった。お世辞にもきれいとは言えない状況である。この段階で、眉をひそめて帰ってしまう人もいるだろう。しかし、その表面上の状態に惑わされなかった。敷地内の草をかき分け、クライアントと共に隅々まで土地を見回った。ここからが、始まりである。


建築家・施工会社とつなぐ

この敷地を読み解き、メッリットを最大限に活かし、住まいをイメージしていく。ラフプランを描き、クライアントと共有する。「この土地は生まれ変わる。」クライアントと共に確信した瞬間である。

新築Case. 01

丘陵から望む大阪の街並みを
「見晴らせる」という贅沢が
ここにある

建築家と共に現地へ赴いた時、思わず二人で顔を見合わした。理由はそう、壮大な大阪平野を「見晴らせる」ということだった。

施主からの要望である「暮らすことが愉しくなる家」という明確な答えが、わたしと建築家の中で同時に響き合ったのだ。

「いかにこの素晴らしい眺望を活かすか」という設計コンセプトが決まれば、あとは不動産コンサルタントと建築家の二人三脚で、課題を解いていくのみである。

敷地面積45坪という限りがある中、子供部屋(3人)や寝室といった個室は最低限の広さを確保。ダイニングとリビングに段差を設けることで、広々とした開放的空間を演出した。空間全体のトーンに溶け込むベントグレーのオープンキッチンを配し、ブラックウォールナットの無垢床がモダンな雰囲気を醸し出し、邸宅感を漂わせている。

「見晴らせる」=「愉しくなる」仕掛けとして、リビングの大開口大窓を設け、夜景を眺めながら、家族団欒で食事を愉しむというシュチエーションも浮かぶ。バスルームにも大きな窓を設けたことで、湯船に浸かりながら眺望を満喫できる仕様としたことも功を奏しただろう。

設計:HIRO建築設計事務所
施工:長澤建築
撮影:熊木 徹
不動産コンサル:HIRO不動産